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環日本海諸国との経済交流をレポートしながら、そこで羽ばたく富山の中小企業をご紹介。海外展開にも支援の輪が…。

第24回 世界をリードする環日本海経済交流

台湾貿易投資商談ミッション派遣
富山とのビジネス交流がさらに進展

 昨年4月の富山—台北便の就航以来、にわかに経済交流が盛んになった台湾と富山。経済訪問団の派遣、「富山ものづくりセミナーin台北」の開催、昨年秋に開催された「富山県ものづくり総合見本市NEAR2012」への台湾企業の出展、などと交流行事が相次いだ。そして年が明けた1月21日〜25日の5日間、当機構主催で「台湾貿易投資商談ミッション」が派遣され、県内企業の経営者が再び台湾の土を踏んだ。
 今回の環日本海経済交流レポートでは、このミッションの概要を紹介。政府関係機関や民間企業との交流の中で出てきた現地のナマの声などを取り上げよう。

富山の地酒「満寿泉」が人気

乾杯系列の居酒屋や一風堂との連携の経緯を話す平出荘司
社長。年に1回は富山を訪問するという。

 現地入りした日(1/21)の夕方、ミッション一行は台日産業技術合作促進会を訪問。NEARをはじめとする数々の経済交流のサポートに謝意を表しつつ、また今回のミッションへの協力に対する感謝と行程の確認をした次第だ。
 台湾の親日的な姿勢はつとに知られている。東日本大震災の折には多額の義援金が送られたことは周知のとおり。NHKののど自慢や宝塚の公演も、地元の要望により過去には何度も開催されている。そういう前知識を持ちつつも、乾杯股份有限公司を訪問した際には、ミッション一行は驚きを隠すことができず、感嘆の声を上げたメンバーもいたほどだ。
 同社は台湾で、焼き肉居酒屋店をチェーン展開する外食産業。カジュアル店、ミドル店、高級店の3タイプの店を擁し、現在の店舗数は台湾全土で17店。2012年の年間売上高は約7億元(21億円)で、台湾の外食産業の中では15~20位にランクする中堅企業だ。その乾杯が、博多でラーメン店を展開する一風堂((株)力の源カンパニー)と合弁し、一風堂TWのブランド名でラーメン店を始めたのは2012年の5月初旬のこと。2時間待ちのラーメン店として、台湾のマスコミでも盛んに取り上げられた。
 社長の平出荘司氏(乾杯の社長でもある)は日本に縁の深い方(父:日本人、母:台湾人)であったが、焼き肉店では富山の地酒「満寿泉」(富山市東岩瀬の桝田酒造店)を扱っているという。それを聞いたミッション一行は、驚くばかりだった。
 平出社長がいう。
 「台湾での日本酒の消費量といっても、そんなに多くはありません。でも満寿泉は台湾人の好みにも合うようで、当店で年間3000本ほど仕入れています。このお酒を勧めてくれたのは、一風堂の吉田國裕さん(技術総監)で、吉田さんは金沢の支店勤務時代に満寿泉に出合ったそうです」
 平出社長は優秀社員との研修旅行で、年1回は富山を訪れ、アルペンルートの観光なども楽しんでいる様子。意外なところで富山ファンに出会った次第だ。その日の午後に視察した台北有数のショッピングセンター「微風広場」でも、富山の干し柿を発見して、ミッションのメンバーは2度驚いたのだった。

台湾経由で中国の市場を目指す

商談会はスケジュールを決めて2時間半びっしり行わ
れた。台北に飲食店を出すことを検討しているミッショ
ン参加者もいた。

 翌日の朝から行った貿易投資商談会では、富山側から6社、台湾側から20社の企業が参加。各社商談結果を持ち帰り、条件の精査や相互に会社訪問などを経た上での契約締結ということになるが、富山から参加した企業の中には、台湾経由で中国との取引を見据えているところもあって、商談は熱気を帯びたものになった。
 親日的な姿勢や、中国との取引を念頭に置いた台湾への投資で思い起こされるのは、2011年4月に設立された三協大同鋁業股份有限公司。富山の三協立山と台湾のアルミ建材メーカー大同が共同出資した企業で、今回のミッションでも視察先のひとつとして参加者が注目していたところだ。
 合弁の進捗状況を説明してくれたのは同社の本江良裕総経理。概要を紹介すると以下のようになる。
 〈大同は台湾では一番大きなサッシメーカーである。しかし日本の技術レベルには及ばず、高級品は日本からの輸入品(三協とは別のメーカー)がシェアを伸ばしていた。大同は高級品をつくる技術を欲していた。一方の三協立山側は、国内需要が低迷する中で量産品の海外生産によるコストダウンと、将来、中国への進出を模索していた時で、双方の利益が一致して共同出資に至った。
 2年近い経験の中でいえるのは、正確にコミュニケーションをとることが大切ということだ。これは親日・親台とは別だ。日本語の会話のファジーな部分は訳しにくい。同じ漢字文化圏ということで、紙に書いても微妙なところは伝わらない。通訳を介さずにコミュニケーションをとれるようになることが重要で、人材育成がこれからの課題だ。
 台北に、まだ非公式な組織だが、富山県人会がある。年に1~2回集まって情報交換しているので、台湾での事業展開の際は、顔を出してみてはいかがか〉

本江総経理による三協立山と大同の合弁のレクチャー。
三協大同は日本の本社の部品調達などの業務も行っているという。

台北ビジネスサポートデスク開設

醤油生産用の甕が1000以上あるそうで、丸荘の黒豆醤油の市場
シェアは20~30%という。ミッション参加の2社が、この醤油に
関心を持った。

 4日目は、食品グループ、機械グループの2班に分かれ、参加者それぞれの関心により視察先を選ぶことにした。食品グループは丸荘醤油と漢典食品を訪問。機械グループは順亮電機股份有限公司、慶鴻機電工業股份有限公司、方麒有限公司の視察に歩いた。
 丸荘醤油は、1909年創業で、台湾独特の黒豆醤油を生産。大豆醤油と用途は同じだが、黒豆醤油は味に深みがあり、後味が長く残るという特徴がある。
 参加者の、食品メーカー経営者や飲食店経営者には好評だった。彼らは何度も食味を確かめ、「黒豆醤油を仕入れることを検討したい」と表明したほどで、帰国してから条件面での折衝が続いたようだ。
 続いて訪れた漢典食品は、冷凍食品を製造する食品メーカーで、日本の市場を狙って展示会出展等を重ねていた。訪問した時も、東京での展示会を控えての準備に忙しい時で、事業紹介の合間に試食を進められ、感想を求められる一幕もあった。
 訪問団の一人は、台北での飲食店出店の計画を持っていたのだが、そのことを紹介すると、鍾紀銘総経理は「当社としても応援したい。OEMその他、できることは何でも協力する」と、握手を求めてきたのだった。
 一方の機械グループの視察。台湾では機械の輸出に力を入れており、今回訪問した中では、慶鴻機電工業は昨年秋のNEARにも参加。方麒有限公司は射水市のタカオカメガから業務の委託を受けて、産業機械や砥石を日本に輸出している企業だ。
 慶鴻電機工業の王武雄董事長は、「台湾はかつて産業機械の90%ほどを日本から輸入していた。ところが60年かけて自国内で生産できるようになり、今や日本、ドイツに次いで、3番目の機械輸出国になった。でもまだまだ日本の技術に学ぶところが多い。富山はものづくりが盛んで、工作機械、産業機械が得意なメーカーも多く、今後も深くつき合っていきたい」と力説していた。
 今回のミッションの目的のひとつに、「富山県台北ビジネスサポートデスク」を訪問することがあった。このサポートデスクは、富山県がジェック経営コンサルタントへ委託。ジェック経営コンサルタント台北事務所に平成25年1月に開所したばかりで、環日本海経済交流センターの「海外販路開拓サポートデスク」と連携をとりながら、台湾でのビジネス展開を支援していく。
 ちなみに昨年末には、北陸銀行バンコク駐在員事務所内に、バンコクビジネスサポートデスクも開設。富山県ならびに当機構では、アジアでの事業展開支援の輪を、いっそう広く・厚くしていく所存で、これらサポートデスクもぜひとも活用していただきたいところだ。

富山県台北サポートデスクを訪問したミッション一行。台湾での事業を計画している企業の支援を
積極的に展開していく。

○問合せ先
[(財)富山県新世紀産業機構 環日本海経済交流センター]
 所在地 富山市高田527 情報ビル2F
 TEL 076-432-1321  FAX 076-432-1326
 URL http://www.near21.jp/
 海外販路開拓サポートデスクについて(台北・バンコクビジネスサポートデスクについて)
  http://www.near21.jp/kan/support.html

作成日  2013/03/27

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