社長の中川達也氏が富山県中小企業支援センターを訪ねたのは、平成15年の3月。春とはいえ、まだ冬の名残りが残る肌寒い日であった。設備資金を借りるためだ。当時の財務内容では大きな設備投資を行うほど自己資金に余裕がなかったのである。
融資の要請を「民にするか官にするか…」推敲を重ねて、官を選択したのであった。
当社の主力3品は、1.トレーラーフレーム 2.バスフレーム 3.天井クレーン(自社製品)である。これらはすべて「鉄」でできている。鉄を切断するための「レーザー切断機」は必須のアイテム。従来は、この設備がないため、鋼材の切断を仕入れや外注に頼っていたのである。
これでは付加価値の向上は望めない。何としてもレーザー切断機を導入しなくてはならないと考えたのであえる。
支援センターの担当者は、決算書を見ながら開口一番「業績に比べて、大きな投資だね…」と。だが中川社長は、臆することなく業績不振の理由、設備投資の必要性、業績改善の具体策等を、数字やグラフの入った資料を見せながら、粘り強く訴えたのである。
これが功を奏し、同年8月に約3,000万円、翌年にも約2,000万円の「設備貸与」を受けることができたのである。
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