「背中の汗でお客様を感動させる…」。このフレーズは、創業以来当社のモットーである。 堀辺峻雄社長は、戦争疎開で母の実家のある蓬沢の生まれ。正確にいえば、富山県中新川郡白萩村字蓬沢という戸数90戸、人口450人の村落である。 雪深い奥山で、幼少の頃から「まじめに黙々」と働いてきたことが「背中の汗…」の一言に凝縮されているのであろう。 生産技術といえば、テレビCMでおなじみの企業。ロボット・溶接機のレンタル、販売、メンテナンスを24時間フルタイムで行う、国内唯一の企業である。 富山県中小企業支援センターとの付き合いは古くて長い。最近では、新工場建設のために、約10億円の資金調達の支援を要請した時である。
新工場への投下資金は、土地・建物等で総額15億円。誰もが、「こんな片田舎で回収できるのか?」と、社長の決断に疑問を投げかけたのである。関東や中京にある得意先の近くで新工場を建設した方がいいのに…。 だが、堀辺社長は「今はまだ、関東・中京地区への進出の足掛かりができていない」と判断し、富山での集約を決断したのである。 社長の決断を支えた理由は2つあった。1つは地権者の同意が得られたこと。もう1つは銀行の理解が得られたことである。 平成16年7月、富山第一銀行を主幹事として、三井住友銀行などが参加した5金融機関のシンジケートローン(協調融資)による10億円のタームローン(無担保無保証5年間)融資を得ることができた。 新工場の建設により神通川左岸に「一大集約基地」が完成したのである。 ①第一工場(レンタル機倉庫) ②第二工場(ロボット工場) ③第三工場(大型設備工場) ④第四工場(出荷点検工場) ⑤第五工場(新品中古機倉庫) ⑥第六工場(ロボット新工場)(展示・試作・研究・設計棟) ⑦第七工場(研修棟) 今後は、この基地をモデルにして、分社化を進めながら関東・中京地区への進出を目指している。
当社の強みは「技術力」、「営業力」の他にもう1つある。それは「在庫力」である。 「たとえ都心が大災害に見舞われたとしても、1年分の在庫がある」と堀辺社長は胸を張る。緊急時や災害時にこそ、当社の強みが発揮できるのであろう。 富山に集約した真の理由は「安全」という2文字であるのかもしれない。 当社のモットーは、冒頭に挙げた「背中の汗…」以外に3つある。 ①正確に ②きれいに ③すばやく である。 これらはごく当たり前の言葉であるが、他と異なるのは全ての言葉の頭に「まじめ(真面目)に」がついていることである。 富山の会社でありながら、国内外に多くの得意先を持つ、異色(売薬型)の企業「株式会社生産技術」の未来に、幸多かれと祈る。
所在地 富山市婦中町青島34番地 代表者 堀辺 峻雄 資本金 4,000万円 従業員 55名