ニュースページトップへ戻る TONIOトップへ戻る
有限会社タイヤリサイクルセンター  

第12回「有限会社タイヤリサイクルセンター」
古タイヤ…。 処理しづらい分野だからこそ


会社設立

 小森社長はまず考えた。不景気の今日、ものを作る分野は外国との競争が厳しい。下請け企業では単価の値下げの要求が厳しい。人件費の制約と国内で勝負できることも条件だ。さらに社会的にニーズが高い分野、そして同時に取り組みにくいものに挑むことだ。しかも法はしっかり遵守する。
  という姿勢を積み上げていったら「タイヤリサイクル」にたどりついた。新規事業分野を模索する思考の連鎖は、代表者の強い遵法精神と社会的使命感をもって、その鎖の輪を閉じることになった。平成14年5月には法人の設立にこぎつけ、いよいよ多難が待ち受けているであろうリサイクル事業に踏み出した。


次々に求められる許認可

 事業化の方向が定まり、営業活動に移ると、当初の思いをはるかに超えた数多くの法律規制と許認可取得の必要性、そして設備投資や資金調達の問題が押し寄せてきた。当時には少なくとも越えねばならない5つの大きなハードルがあったという。
  ・資格試験のハードル
  ・資金のハードル
  ・富山県の許可を得るハードル
  ・地元の同意を得るハードル
  ・仕事量の確保のハードル
  そんな時たまたま「新事業開拓の相談を受け付けます」という富山県商工会連合会の新聞広告を目にしたことをきっかけに、富山北支援センターの相談窓口にたどりつくことができたのだった。富山北支援センターでは廃タイヤに詳しい人の紹介に始まり、専門家派遣による経営・技術課題のアドバイスを受けることができた。
  しかし、許認可に伴う各種資格試験に合格することは、自分自身で解決しなければならない課題であり、アドバイスでまかなうわけにもいかず、最も苦しい障害レースであったという。社会的使命感、コンプライアンスを自社の基本理念に据えている社長自身の正念場であった。


設備貸与制度

 操業に必要な用地の確保、その地域の住民の同意を得ること、環境影響評価後の富山県の許可、業務に必要な関連団体との連絡と協力関係の構築等々、波のように寄せてくる課題を一つひとつ乗り越えつつ、いよいよ古タイヤ処理設備(タイヤ切断機)の確保が迫られてきた。
  この設備は決して安い買い物ではなく、資金調達方法を思案していたところ、富山北支援センターから富山県中小企業支援センターの紹介を受けた。県支援センターからは運転資金確保のため極力自己資金の拠出を抑えるようアドバイスを受け、最終的には新世紀産業機構の設備貸与制度を利用することとなり、平成14年秋に晴れて主力設備を入手できる運びとなった。
  専門家による経営や技術面でのアドバイスを受けながら設備も確保し、各種資格要件を万全に整えての船出となったのは、慎重に手順を踏み法律の遵守に努める経営姿勢そのままであった。

 



規模より内容を

操業1年あまりを経て概ね計画通りというものの、未だにタイヤに隠れているスパイクに頭をいためることなど、まだまだ苦労は尽きない様子だ。抱負を尋ねたら、規模より内容がよいこと、社会にとって存在価値のある会社にしたいという。社長の言葉は、コンプライアンスを標榜する会社にいかにもふさわしい。

[企業の概要]

所在地 黒部市枕野400番地
代表者 小森 義明
資本金 300万円
従業員 5名  

電話 0765-54-9898
FAX 0765-54-9797
E-mail info@r-sanyou.co.jp
URL http://www.r-sanyou.co.jp/
事業 使用済み廃タイヤを収集(産業廃棄物の収集運搬)し、
    中間処理(破砕・選別・20・角程度に切断)する。それらを燃料として
    使用する企業へ供給
   


Copyright 2005-2013 Toyama New Industry Organization All Rights Reserved.