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第21回 世界をリードする環日本海経済交流
「富山県ものづくり総合見本市2012」9月に開催
 とやまテクノフェア2012・NEAR2012同時開催で
 ものづくり県TOYAMAを世界にアピール
 
  
「富山県ものづくり総合見本市2010」。左NEAR、右上とやまテクノフェア、右下バイヤーコーナーの様子。
 2年前の「富山県ものづくり総合見本市2010」を覚えておいでだろうか。従来、別々に開催されていた、とやまテクノフェアとNEAR (北東アジア経済交流EXPO)を同時開催し、経済交流の双方向化と相乗効果による成果の拡大を図ったものだった。
 その意図したところは概ね成功し、海外からの出展数は過去最大の171社(団体)に達し、商談成立額も過去最高を記録。中国から招聘したバイヤーとの商談が盛んであった他、NEAR出展企業ではこのTONIO Newsのレポートでも紹介したように、LEDなど時代にあった商材を紹介した企業や高度な技術を有する企業の商談が実を結んだようだ。
 そして2年が経過した2012年。富山県、富山県機電工業会、ジェトロ、そして当機構では、前回同様に両ビジネスフェアを同時開催し、前回以上の成果がでるようにと、さっそく企画を練り始めた。また当機構・環日本海経済交流センターでは、昨秋より中国や韓国などからの出展企業を募るため、現地政府や関係機関を訪ね、協力を仰いだところだ。

NEARへの期待が、かつてなく高い

 出展勧誘のために関係機関を訪ねていて驚くのは、前回の見本市の記憶がまだ鮮明に残り、過去には見られないほどにNEARへの期待が高まっていることだ。中国の現地政府(省・市)や、国際貿易促進委員会(以下、国貿促)の省・市の委員会・分会のコメントを、内容的に似たものをまとめて紹介しよう。
 「NEARとテクノフェアの同時開催がよかった。NEAR 参加企業は、テクノフェアで展示する日本の中小企業の製品を直に見ることができ、中小企業でも品質の高い製品をつくっていることがわかった」
 「NEARは工業的な製造業に関連する部品、部材、素材の展示会であるのはわかる。しかし、あれだけ盛況ならPRのよい機会になるから、業種の範囲を広げることはできないか」
 「来場者が同じ時間帯に重なって、一方の企業と商談できないケースがあった。事前にマッチングなどをして、効率的に多くの企業と話がしたい」
 「NEAR 出展企業の中には、グループ会社に完成品メーカーを有している企業もある。NEAR にもテクノフェアにも出展したい」
 「富山県は日本海側では最もものづくりが盛んな地域と聞いている。工場見学したいので、企業を紹介してほしい」
 などなど。
 出展企業の業種を幅広くする件に関しては、NEAR開催の目的をぼかすことにもなりかねないため慎重に検討しなければならないところだが、こうしたコメントが3つの機関(現地政府や国貿促など)から出てきたのは、「富山県ものづくり総合見本市2010」が盛況であった証左といえるだろう。「事前マッチングなどをして、効率的に多くの企業と話がしたい」というコメントも商談が盛んに行われたことを物語っている。
 会場のキャパシティや日程、またマンパワーなどに制限があるため、全ての要望に応じることはできないものの、事務局サイドでは「富山県ものづくり総合見本市2012」が前回以上の成果が出るようにと最大限の努力をしているところだ。そのための最大のポイントは、出展企業や来場者の勧誘はもちろんであるが、先のコメントにもあった効率的な商談のための事前マッチングの実施と、招聘するバイヤーを拡充することによる双方向の経済交流の拡大、そして新しい国からの出展を増やし、経済や文化、人的交流を促進することだ。

NEAR2012の出展勧誘で、中国の現地政府や国貿促に説明を行ってきた様子。左から遼寧省政府対外貿易合作庁、国貿促天津市分会、同大連市分会。


商談を効率的に行うために

 まず、事前マッチングについて説明しよう。
 従来のNEARでは、出展企業の応募締切を会期の約3カ月前に設定し、出展企業を紹介するガイドブックを作成して、開催の1カ月ほど前から希望する企業に配布。またホームページなどでも紹介してきた。
 海外からの調達に慣れた企業は、このガイドブックを利用して出展企業に連絡を入れ、事前に商談のアポイントをとっていた。しかし海外からの調達に不慣れな場合は(特に言葉の問題で)、“当日会場に行ってから…”となりがちだ。これでは時間の余裕がなく、また商談希望者が同じ時間帯に重なった場合は、どちらか一方に時間の調整を依頼せざるを得ず、来場者には不便であった。
 NEAR2010では、事前マッチングに対する取り組みが十分でなかった。その反省から、NEAR2012では新たにジョイント・コーディネータ(仮称)を配置。コーディネータが来場予定企業にヒアリングを行い、商談を希望する相手先やニーズなどを掘り起こし、いわば商談日時の時間割りをつくることにした。そのために出展企業の応募締切を例年より1カ月早くし、ジョイント・コーディネータがフルに活動できる期間を設けた次第だ。
 また、テクノフェア出展企業、NEAR出展企業のシーズ・ニーズを把握した上での、双方のマッチングも検討しており、これもジョイント・コーディネータのリードの下で行う予定である。
 バイヤーの招聘拡充についても触れておこう。
 「富山県ものづくり総合見本市」と装いも新たにスタートしたこのビジネスフェアは、販売(輸出)だけ、あるいは購買(輸入)だけを目的とするものではなく、双方向の経済活動を促進させるためのものだ。前回の見本市では総合家電グループのTCL集団や美的集団など4社の出展がその象徴で、電子部品などを売り込もうと、日本の中小企業は積極的にアプローチし、大きな商談がいくつもまとまった。
 今回の見本市でもバイヤーコーナーは設ける予定だ。ただそれをもっと拡充させるために、中国の他に韓国や東南アジアの企業にも参加を呼びかけ、より大きな成果がでるよう準備を進めている。

NEAR2010の各ブースでの商談の様子。出展企業には日本語のできるスタッフが多く、また通訳も多数配置しているので、言葉の心配はない。


インド、タイ、台湾など新しい参加先も

 初めての参加先も、見込まれる。3月末までに、インド、タイの在日大使館より、展示の申し込みと投資環境説明会開催の意向が届いた。話の進展によっては、それらの国々からの民間企業出展の可能性もあるだろう。また定期便が就航することもあり、台湾より民間企業数社も出展を予定している。従来にも増して華々しい国際交流の場になることが期待される。
 NEARへの出展については、現地の政府、あるいは中国国貿促などの機関に、その取りまとめを依頼している。出展締切が迫ってくると、それら機関から「○○市の企業分として、ブースを20確保してほしい」などという連絡も入るようになり、展示にあたっての詳細を確認してくる企業も増えてきている。
 また「富山県ものづくり総合見本市2012」のポスターもでき上がった。半年後に迫った見本市の熱気が、これから徐々に醸成されていくことになるわけだ。
 見本市の詳細については、決まり次第ホームページなどで紹介していくので、下記のホームページなどで確認していただきたい。
 

○問合せ先
[(財)富山県新世紀産業機構 環日本海経済交流センター]
 所在地 富山市高田527 情報ビル2F
 TEL 076-432-1321  FAX 076-432-1326
 当センターURL http://www.near21.jp/
作成日2012.03.23

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