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公的支援を受けて開発された「きららか梨大福」。梨の旬でない時に、生の梨を使った大福が食せるとあって、人気の商品。品切れになることもある。 |
以上のように同社の元気の源は、遠回りながらも近道であり、また会社にとって一番の資産である人づくりに主眼をおき、その人材が少しずつ育ってきていることにあるようだが、手前味噌ながら商品の魅力アップや販促のお手伝いに当機構も若干の支援をしている。そのひとつが、県の経営革新承認による自家製ケーキ・和菓子をつくる工場の建設支援(平成18年)と、農商工連携ファンド事業による新しいスイーツの開発支援(同21年)。新しいスイーツの開発は、初秋に収穫した梨を特殊な冷蔵方法で、その暮から年明けが食べごろになるよう熟成させた「きららか梨」を、その生産者の藤岡農園(農林漁業者)と藤岡園(商工業者)が連携して行うもので、22年秋から「きららか梨大福」が販売され始めた。
ちなみにこのプロジェクトは、当初は藤岡園と藤岡農園の2社の連携であったが、これが起爆剤となって22年度には「地域資源∞全国展開プロジェクト」(日本商工会議所の事業)にも採択され、アイス・洋菓子・アルコール飲料などのメーカーも商品開発に加わり、きららか梨を使ったアイス、バームクーヘン、リキュールなどの開発が試みられることになった。
同社ではまた、「新世紀ネットビジネス道場とやま」の受講(22年度)を機にホームページの充実を図り、専属スタッフ1名も置くように。下記のURLでご確認いただくとわかるが、富山の一お茶屋さんが、全国に向けてお茶(茶葉)やスイーツなどの販売に乗り出した。
「これからの時代は、お茶屋、酒屋、ケーキ屋のようなカテゴリーは徐々になくなるでしょう。また売り方も変化する。100年続いている企業も、100年前と同じ商品を、同じように売っているわけではありません。まったく違った商品を販売していることの方が多い。ですから当社のミッションはお茶を売ることにあるのではなく…」
お茶屋4代目・藤岡啓一社長の話を聞いていて、「うちは人をつくる会社であって、たまたま今○○製品をつくっている…」と語った、ある企業の創業者を思い出し、また2年前のベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』も頭に浮かんだ。
人が育てば、お店も会社も元気になる。これはいうまでもないことだ。
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同社のホームページ。20代半ばのネット店長(女性)が、ホームページのことを一から勉強して立ち上げた。遠方のお客様からの注文も入るようになって、藤岡園として4番目の元気なお店に成長することが期待されている。 |
県の中小企業経営革新支援事業について
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1300/kj00000263.html
とやま農商工連携ファンド事業について
http://www.navi-toyama.jp
地域資源∞全国展開プロジェクト
http://feelnippon.jcci.or.jp/
ネットビジネス道場とやま等のセミナー・講座について
http://www.tonio.or.jp/joho/semi2011/20110715net.shtml
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