安井氏の弁を裏づけるような統計がある。それは(財)外食産業総合調査研究センターが調べたもので、外食産業の市場規模は、平成9(’97)年の29兆1,000億円をピークに年々減少。平成16(’04)年には、24兆5,000億円まで落ち込み、下げ止まる気配もない。
半面、好調なのは中食産業である。先の調査では、ここ10年ほどは毎年1,000億円ほどずつ市場規模を大きくし、平成16年には6兆2,000億円にまで成長。右肩下がりを続ける外食産業とは好対照に、じりじりと拡大する勢いを見せている。
「食べ物屋の難しいところは、おいしい料理を出し続けないといけない。どこの板前さんもコックさんも、自信を持って料理を出していると思うけど、おいしさの基準は時代とともに変わる。だから、誇りは持たなければいけませんが、うぬぼれてはいけない。また料理を召し上がっていただく店の雰囲気、店員の接客姿勢、そしてそれらを勘案しての料金。これらがうまくかみ合ってはじめて、お店がはやる。中食が増えて外食が減るというのは、時代の変化の他にお客さんのニーズを把握していない点もあるのではないか」
五万石にはグループも含めて13の飲食店があるが、その一つひとつの店を改めて評価するように、安井社長は語った。

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