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“お荷物”には、ビジネスチャンスありと判断し、荷物を運ぶシステムと荷物そのものを増やすことに余念のない羽岡立史社長。 |
今回紹介する初芝は、その受託会社の一社だ。同社は、ある大手宅配事業者から個人宅宛ての荷物の配送を引き受けたのを皮切りに、複数の宅配事業者からも委託を受けるようになった。今や富山県内で1日に配送する荷物の量は、5,000~6,000個。同社の配送網抜きでは、県内の家庭への宅配が成り立たないといってもいい状況だ。
「まったくの新人のドライバーで、1日30個前後。平均的には80個前後。ベテランになると1日100個前後の荷物が配送できるようになります。その差は、配達の積み重ねと、毎日の運行によって自分の配送エリアの人びとの在宅の可能性の高い時間を把握しているかどうかにある。言葉を変えると、ドライバーのカン(勘)ピュータに頼っているのが現実です。でもそれでは、いつまで経っても問題が解決しません。そこで、熟練ドライバーのカンピュータをコンピュータ化できないかと思ったのです」
羽岡立史社長が、漠然と思い立ったのは平成18年のことだ。さっそく配送先の在・不在の実態のチェックに乗り出した。不在によって再訪した場合は、不在時間と配達完了時間を明確にし、過去数年分も含めてそのデータベース化を試みたのである。もちろん、毎日集まる5,000件以上の新規のデータも加えていった。
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