第16回 セト電子工業株式会社 |
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愚直なまでに技術一筋
利益は社会貢献に付いてくる |
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「このままいったら、会社が潰れてしまう。夜逃げでも…」
大手精密機器メーカーから有志が集まって独立し、昭和59年の創業から1年半ほどが過ぎた時のこと。計測機器や検査装置の設計で、地元のメーカーからも徐々に信頼されるようになり、月平均200万円ほどの売上げが確保できるようになりつつあった時だけに、新製品の開発・販売にからんで、取引先企業が倒産して5,000万円の焦げ付きが発生したのは痛かった。協力工場や材料を仕入れた取引先への支払に窮し、「夜逃げ」が頭をよぎったのも無理はなかった。
しかし「それではあまりにも不誠実だ」と判断したメンバーは、お詫び行脚で債権者を回ることになる。その一方で、山のような部品や材料等を抱えて途方に暮れながらも、それらを生かす道はないかと模索したのであった。 |
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