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第7回 三芝硝材株式会社  

第7回 三芝硝材株式会社
異素材を積極的に組み合わせ
オリジナル商品の開発に意欲

ガラスの二次加工業が盛んな本県。特に高岡市にはそのメーカーが多い。ビル外装の曲げガラスをはじめ、最近ではインテリア志向の商品も開発されている。今回紹介する三芝硝材は、ガラスの城のような前面総ガラス張りの工場を昨年11月に建て、自社の技術をPRする一方、新しい商品開発にも積極的に取り組んでいる。

床用の滑らないガラスの開発

JR川駅前の階段。乳白のフィルムをはさんだノンスリップガラスを階段に用い、下からライティングしている。
そのうちのひとつが、床用滑り止めガラスの「ノンスリップガラス」(特許取得)だ。強化ガラスの表面に微細ガラスを融着させ、適度な間隔で配列しているため、この上を滑ることなく普通に歩ける。また中間膜を持つ合わせガラス構造となっているので、強い衝撃や長年の使用にも耐え、万一ガラスが破損しても破片が飛び散ることがない。中間膜の色や材質、融着する微細ガラスの色を変えることも可能なため商品のバリエーションが豊富で、建築・設計関係者の間での評判は上々。東京タワー展望台の床やJR川崎駅前の階段をはじめ、商業施設やホテル等での使用が急速に拡大している。


漆を使った合わせガラスの開発

 
昨年11月に竣工した同社の新工場。2m×10mの合わせガラス42枚が正面に張られている。中にフィルムがはさんであるため、地震等で割れても飛散しない。”ガラスの城”の噂を聞きつけて、建築関係を中心に見学者が多いそうです。

もともと同社は、車の強化ガラスの製造から始めた。創業は1957年(昭和32年)。日本の自動車産業が育つかどうか微妙な時期であったため、危惧する声もあったようだ。’83年(同58年)には工場を増設。その翌年には合わせガラスのJIS表示許可工場になり、ビル建設急増の追い風を受けて建築合わせガラスの分野にシフトしたのである。
  「はさめるものは何でもはさもう」
同社開発部・堀岡信義部長のこの言葉の通り、同社では意匠性、機能性、付加価値を高めるために、各種の合わせガラスを開発してきた。前述のノンスリップガラスもその一例で、先ごろは「漆ガラス」も製品化。和紙に漆を塗ったもの、ペットフィルムに漆を塗ったものを合わせガラスにすることに成功した。
「これが結構難しかった。ガラスを合わせる際、高温・高圧の釜に入れるのですが、漆の中の溶剤が破裂してピンホールが無数にできるのです」
 
 
 

漆を塗った和紙を用いた合わせガラスの例。パーテーションやテーブル天板として既に使われ、他の用途も模索されている。

堀岡部長は、1年近く続いた試行錯誤をそう振り返る。ピンホールは、漆を乾かす際の温度、湿度、溶剤が相互に関連して発生することを突き止めた同社は、合わせる前に“ある加工”をすることで、この問題を解決したのであった。
写真でご覧いただくように、和紙は漆で染めたようになり、間接照明をすると独特の風合いがかもし出される。またペットフィルムの場合は、普通の漆器のような重ね塗りや螺鈿を施すことも可能で、新しい建材、インテリア素材の誕生として期待されている。

連絡先/三芝硝材株式会社 〒933-0974高岡市岩坪23-2
TEL 0766-24-6811 FAX 0766-27-1222
URL http://www.sanshiba-g.co.jp/



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