深層水由来の化粧水でお肌しっとり 夏になり、あせもによって肌が荒れると、昔からよく“海で泳いできたらいい”といわれてきた。実際、海水浴をすると荒れた肌が治るケースがあり、われわれは経験知として海の水が肌によいことを認識してきた。
この海の恵みを化粧水に生かせないかと試みたのが五洲薬品である。同社では、富山湾の深層水が試験的に汲み上げられた平成8年から県や市、公設試験研究機関とともに深層水の研究に乗り出した。
この時点での研究は、深層水の成分や特性、安全性、安定性など基礎的な研究がメインであり、商業利用はまだ解禁されてはいない。しかしながら同社をはじめとする多くの企業が深層水の商業利用を国や県に要望し、平成12年から商業利用への道が開かれることとなった。
商業利用が可能になったことで深層水を利用した商品開発に弾みがついた。同社ではそれまで、深層水原水が肌に及ぼす影響を富山医科薬科大学皮膚科の関太輔講師らとともに研究していたが、塩分が濃すぎるという問題が浮かび上がっていた。そこでその研究を続けるかたわら、深層水を淡水、ミネラル濃縮水、濃塩水に分離する多段式電気透析装置を機械メーカーの協力を得て開発。濃塩水はさらに塩とにがりに分離でき、深層水原水は5つの“もの”に形を変えその応用が期待されたのであった。

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