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第5回 五洲薬品株式会社  

第5回 五洲薬品株式会社
肌の弱い女性も安心して使える
深層水由来の化粧水でお肌しっとり

深層水を使った化粧水「DSWスキンローション」(左)と、その開発で得られた知見を応用してつくられた入浴剤の「マリンバスソルト」。この入浴剤にも深層水由来の塩が入っている。


肌の弱い女性も安心して使える

 深層水由来の化粧水でお肌しっとり 夏になり、あせもによって肌が荒れると、昔からよく“海で泳いできたらいい”といわれてきた。実際、海水浴をすると荒れた肌が治るケースがあり、われわれは経験知として海の水が肌によいことを認識してきた。
  この海の恵みを化粧水に生かせないかと試みたのが五洲薬品である。同社では、富山湾の深層水が試験的に汲み上げられた平成8年から県や市、公設試験研究機関とともに深層水の研究に乗り出した。
  この時点での研究は、深層水の成分や特性、安全性、安定性など基礎的な研究がメインであり、商業利用はまだ解禁されてはいない。しかしながら同社をはじめとする多くの企業が深層水の商業利用を国や県に要望し、平成12年から商業利用への道が開かれることとなった。
  商業利用が可能になったことで深層水を利用した商品開発に弾みがついた。同社ではそれまで、深層水原水が肌に及ぼす影響を富山医科薬科大学皮膚科の関太輔講師らとともに研究していたが、塩分が濃すぎるという問題が浮かび上がっていた。そこでその研究を続けるかたわら、深層水を淡水、ミネラル濃縮水、濃塩水に分離する多段式電気透析装置を機械メーカーの協力を得て開発。濃塩水はさらに塩とにがりに分離でき、深層水原水は5つの“もの”に形を変えその応用が期待されたのであった。

 


深層水は肌にやさしい

平成12年には、深層水を利用した商品開発を県も推奨した。商工企画課には深層水協議会の事務局が置かれ、自治体や企業間の調整が図られた。そうした折、同社は深層水協議会から深層水を活用した商品開発を支援する制度が新世紀産業機構にあることを紹介され、平成13年度の新産業創出公募事業に申請。審査の結果、同事業の深層水枠で採択され、化粧水の可能性をテーマとして掲げたのであった。
  これは、深層水の濃縮ミネラル液を用いた皮膚バリア回復能を検証し、深層水の皮膚への効果の基礎データを確認、その作用機序を考察し、得られたデータを用い外用剤の開発を行うために富山医科薬科大学皮膚科ならびにセキひふ科クリニックの関院長とともに、その研究に乗り出したのであった。  皮膚科の医師や化粧品メーカーの間ではよく知られたことであるが、肌の弱い人には、脂質の一種であるセラミドが皮膚表面で不足している傾向がある。関氏らのアドバイスによって、深層水にはセラミドを増加させる働きがあるのではないかと調べてみると、細胞培養の実験においてそれが確認された。



人的ネットワークが広がる

中村和美さん
  公募事業を活用して、深層水を配合した化粧水の可能性を調べた同社では、その結果をもとに「DSWスキンローション」という化粧水を平成14年の暮に商品化。販売は、研究に協力した関氏の医院や同社のホームページ上でのネット通販など、流通はまだ限られているが、深層水の取水地である滑川市で販売を始めたところ、肌の弱い女性の間で口コミで広がり、上々の滑り出しをしている。
  また、化粧水の可能性を調べた実験から得られた知見をベースに、深層水を活かしたこれまでになかった入浴剤を平成15年に開発。こちらも肌の弱い人の間で評判になっている。
  同社総合研究開発・薬事部の中村和美さんは、「こうした支援制度を活用すると、専門的に研究しておられる先生方との接点ができ、そしてネットワークが広がっていきます。企業にとっては、これが大きな財産です」と開発を振り返る。
  同社では、平成16年度においてもこの公募事業を活用して、深層水を生かした食品の可能性を研究。県衛生研究所の研究員とのネットワークも構築するなど、人の輪をいっそう広げている。






連絡先/ 五洲薬品株式会社 〒939-8650富山市花園町1-1-5
TEL 076-424-2661 FAX 076-422-4571
URL http://www.goshu.co.jp/


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