前記3市が位置する華東地域は、’04年の外国直接投資(実行額)、貿易額が、それぞれ中国全体の50.7%、33.8%を占め外資系企業のプレゼンスが極めて高く、また産業集積度も非常に高い。特に蘇州市は、
’04年統計によると外資導入額が全国1位(95億ドル)、工業出荷額は上海に次いで2位(9,560億元)。外資系企業の進出先として最も注目され、県内企業も、華東地域への進出が最も多い(45社・64法人/当センター調べ)。
蘇州日本工業村を管理する東亜キャピタル(株)社長の津上俊哉氏(元経済産業省北西アジア課長)は、現地で開催した中国ビジネス勉強会の中で、交通インフラ整備が進み上海を中心とした経済活動圏(グレーター上海)が着実に広がりつつあることを指摘。進出先としての優位性について、(1)地場産業に加え外資系企業の進出により産業集積度が高い。(2)地方政府が抜群の財政力を持ち、インフラ整備が速い。(3)上海に近接していながら人件費、用地コストが比較的安価でお買い得。(4)蘇州工業園区などの国家級の開発区が質の高い行政サービスを提供、の4点を挙げている。
また同氏は、当地域とのビジネスの着眼点として、(1)市場がハイエンドである上海などでは、日本の商品をそのまま持ち込んでも売れる。(2)最先端でなくても、現地で需要のある技術、商品が多い。(3)日本からの技術導入ニーズは高い。技術を高く売ることも大切、とアドバイスしてくれた。
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