 |
平成23年9月に行われた電気学会で、同社の卓上型機は最優秀技術展示賞を受賞した。 |
卓上型の開発には、経営の健全化に資するという目的もある。その点から考えると、シリコン微細加工を中心とした半導体向けのプラズマエッチング装置の市場はすでに成熟しているため、別なマーケットを想定する必要があった。そこで圧電材料やプラスチック材料の微細加工に特化したエッチング装置についてみてみると、MEMS業界からは水晶をはじめとした圧電材料(ニオブ酸リチウム、PZTなど)やプラスチック基板への微細加工の要望が強く出されていたにもかかわらず、十分な装置が供給されていないことがわかった。
それを踏まえ、卓上型の開発にあたっては、圧電材料、特に水晶をターゲットとすることに。そして一日も早い装置の開発を目指し、なるべく早く商品化して市場に投入することにした。
平成23年3月、装置は一応の完成をみた。性能はほとんど落とさず、大きさはほぼ半分にした(550W×540D×570H)。コストダウンについては、今一歩というところまで近づき、さらなる部品・部材のシェイプアップが求められているところだ。
この卓上型プラズマエッチング装置を平成23年9月の電気学会で展示したところ、「最優秀技術展示賞」を受賞。24年春からの販売に向けて背中を押されるような形になった。
「おかげさまで学会でも注目され、導入を検討していただいている研究室がいくつもあります。もう少しコストダウンできれば、年間10台くらいの販売は可能ではないかとみているのですが…」(人母さん)
実際の販売では営業マンが全国を飛び回ることになるのだろうが、エンジニアといえども売れ行きには関心のあるところだ。
前述のように、すでにいくつものメーカーが「卓上型」を出している。ただエッチングの参考例を見ると、MEMS製造に要求される高精度の「微細加工」には遠く、市場での立山マシンの卓上型プラズマ微細加工装置の健闘が十分に予想されるところだ。
新商品・新事業創出公募事業
http://www.tonio.or.jp/gijutsu/sinsyouhin.html
|