「研究開発といっても、目指すレベルはいろいろあります。例えば今のレベルを100とすると、120あるいは130のテーマでしたら、その部署の努力で答を出すことができるでしょう。でも、150とかもっと高いレベルのテーマになると、そう簡単にはいきません。研究者個人にも得意・不得意がありますし、高度なノウハウの他に周辺の専門知識やまったく異なった分野の技術も必要になる。当センターでは研究のプロジェクト毎にグループ内の研究開発部門からスタッフを集め、公的な研究機関や大学、あるいは他の民間企業にも協力を求め、従来より一歩も二歩も先のテーマを追いかけていきます」
先進技術開発センターは、グループ全体を見渡し、高度で分野複合的な開発テーマに、グループ内・外の連携を推進し、柔軟に取り組むための研究開発部門といえるだろう。前述のように答える斉藤氏自身の“本籍”は立山マシン。他の研究スタッフも、それぞれの研究開発部門に本籍を置き、研究プロジェクトが進行している間はこのセンターに“出向している”といっていいだろう。
このセンターが取り組んでいる研究テーマのひとつが「難加工材用反応性イオンエッチング装置の開発」である。もともとは富山県立大学、富山県工業技術センターと連携し、立山科学工業、立山マシンが中核となり経済産業省の地域新生コンソーシアム研究開発事業に採択された研究で、この4月からは実用化に弾みをつけるために、当センターが推進するプロジェクトのひとつとなった。
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