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キムさんは時々テクノフェアの会場を見学しながら、商談の可能性のある企業の研究に余念がなかった。 |
韓国からの参加は今回は7社で、他に資料展示のみ行った企業が3社。毎回、企業の顔ぶれは違うようだ。その中から、自動車用のバネを製造している(株)ソイル(本社:仁川広域市)の営業マネージャーのキム・ヤムスさんに話をうかがった。
同社では、米系自動車部品メーカーの日本法人との取り引きはすでにあるようで(年間40~50万米ドル)、展示会をとおして他の自動車メーカーとの接点を持つことを図るほか、自動車用製品をつくっているメーカーに直接営業をかける狙いも持っていた。
キムさんがいう。
「ブースを訪ねてくれたある自動車部品メーカーから、図面を送るから月産4万個で見積りしてほしいと依頼されました。ただそれは、そのメーカーのタイ法人からのもので、成約すればタイ工場へ輸出するようになります」
タイに進出している日本企業が、部品の調達先を探してNEARの会場を視察していたとは驚きだ。キムさんはさらに続けた。
「隣の会場で同時開催されている、とやまテクノフェアには、自動車関連の製品をつくっている企業が何社も出展しているでしょう。NEAR開催前にそれらの企業に連絡を入れ、“当社の製品を見てほしい”とお願いし、アポイントをとりました」
NEARとテクノフェアの同時開催には、こうした相乗効果も期待されていたのだが、同社では効率的にそれを実践したわけだ。
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「出展の本当の目的は、日本の方々、富山の方々のニーズを調べることです。この靴もいいですよ。外反母趾を防ぎ、歩く姿を美しくしてくれます」とユーリィアさん。 |
またロシア沿海地域からは、伏木海陸運送(株)のサポートを受けてオートグローバルJPが参加。中古車の輸出入などを手がける貿易会社で、ブースでは外反母趾予防用の矯正靴を展示していた。
「日本では、靴には軽さが求められていますが、この靴は子ども用にもかかわらす結構重い。合皮ではなく本革と天然ゴムを使い、1足15000円します」
商品の説明をしてくれたユーリィアさんは、15000円という値段に絶句する編集子を見て、「この靴は大学の医学部や病院との共同研究でできたもので、効果が確認されています。ロシアでは子どもが小さいうちに歩き方をチェックして、外反母趾の可能性があると思われる場合は、矯正靴で予防するのです」と続けた。
この靴の展示は、同社にとってはあくまでも便宜的なもので、日本海をはさんでのビジネスのタネをリサーチしているように見受けられた。
天候にも恵まれて、今回の総合見本市には延べ24,626人が来場。商談の成果は、今後のフォローによるところが多く、1件でも多くの成約を願うばかりだ。
ちなみに、インド、タイ、台湾関係者の取材については、通常の環日本海経済交流のレポートのコーナーで紹介しよう。
○問合せ先
(財)富山県新世紀産業機構 環日本海経済交流センター
所在地 富山市高田527 情報ビル2F
TEL 076-432-1321 FAX 076-432-1326
URL http://www.near21.jp/
在モンゴル日本国大使館「最近のモンゴル経済」
http://www.mn.emb-japan.go.jp/jp/seikei/EconomyMon201209.pdf
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