アウトソーシングにもビジネスチャンスがあります。自前で全部やってしまうのではなく、外注を使う。特に人が苦手な部分を代わりにやってあげることで価値を生むことができます。飲食店向けに、出前の注文だけを受ける会社があります。「出前館」という名前でやっていますので、そこのホームページをぜひ見てください。この社長、実は富山県出身の女性で、学生時代にはモーニングコール事業をやっていました。男子生徒、男子学生に、約束の時間にモーニングコールをして起こしてあげるビジネスです。そのために女子学生を雇っていました。ちなみに先ほどの出前受付けのビジネスですが、出前の配送だけをするビジネスもあります。
同じ商材でも、売り先を変える、用途を変えるとチャンスが生まれます。同じ商材でも高付加価値のビジネスができます。福井県の鯖江はメガネのフレームをつくっている会社が多い。しかし最近は海外ものに押されてあまり売れなくなり、お箸をつくり始めました。いわゆるMy箸です。フレームの素材で傘の骨をつくっている企業もあります。
炭もいろいろなところに使われていますが、用途によって値段が全然違います。ある炭の産地を取材したのですが、一番安いのは建材用に使われる炭。1kg 5円でした。ところがこの同じ炭を、焼き鳥屋さんに販売すると1kg 50円。河原などでのバーベキュー用にすると、ホームセンターでは3kg 300円程度で売られています。1kg 100円ということです。この炭を今度は、「ごはんがおいしく炊けます」「水がきれいになります」とパッケージしてスーパーで販売すると、数十g、数百gの炭でも500~600円になります。その炭を売っている会社が銀座にショールームを出しました。室内の調湿・脱臭用にきれいにラッピングした炭が、今度は1本数百gを3本で5,700円。1kgで5円を見ていますから、本当に驚きです。場所が変わると、お客さんも用途もこれだけ変わってくるというビジネスです。
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