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サッカーのナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」(福島県広野町・楢葉町)での、唐揚げ採用を報じる北日本新聞(‘10年11月28日)。当機構が首都圏に委嘱している販路開拓マッチングコーディネーターの紹介で、Jヴィレッジの総料理長に試食していただいて採用が決まった。 |
この他にも、市を挙げて学校給食に採用になった例、Jリーグのトレーニングセンターで採用になった例、スーパーの総菜売場・飲食店で採用になった例など、販促活動を始めて半年後に、さまざまな成果が出始めた。
「マネージャーは、食品業界の既成概念にとらわれず、営業先を次々とリストアップしてきて『今度はここへ行きましょう』とアポイントをとるのです。ですから、営業範囲が格段に広がり、実績も徐々に出始めました。昨年はカタクチイワシが不漁だったので、量の多いオーダーはお断りしたこともあります」(笠井社長) 販路開拓マネージャーとの二人三脚を始めて1年。唐揚げの売上げは2.5倍に伸びた。漁獲量が安定したらそれはさらに数倍伸びて、“1億円商品”に育つのではないか、と社長は期待を寄せている。ただしこの場合も、あくまでも「氷見産」にこだわって事業を展開していくのだという。
「カタクチイワシは、全国いくつもの港で水揚げされていて、そこでの唐揚げが出てくる可能性はあるでしょう。でも他産地のイワシにはブランド価値がないので、単なる値段で勝負になる。それに対して氷見イワシには物語がある。『広辞苑』に載るほど有名で、何よりこのイワシを追ってブリが富山湾の奥深くに入ってくる。氷見沖のカタクチイワシには脂がのっているから、ブリにも旨いのです」
新しい商品を世に出す時は、“物語が必要”とよくいわれるが、笠井社長はそれをいっているようだ。
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