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第8回 有限会社RBBプロジェクト  

第8回 有限会社RBBプロジェクト
アイデア商品以上のスグレモノを開発
商品を育てたら協力企業に譲渡
  
 砺波市にアイデアマンのおじさんがいる。編集子は仕事柄、多数の人に会ってきたが、この御仁は特筆すべき部類に入るだろうか。
 幾度かお目にかかった。そのたびに開発した商品を得意げに語り、その様子から化学の知識が相当あるのではないかと推測していた。“肌にやさしく、化粧を落としやすい”とブームになっている竹炭石鹸は、実はこの御仁、RBBプロジェクトの取締役、浅谷仁さんが開発。2年余りで30万個以上販売し、OEM(相手先ブランド)製品として全国9社に提供するようにもなっている。



 米ぬかを主原料とする洗剤も、「印刷されたインクでもきれいに落とせる」と目の前でタバコのパッケージの印刷を消し、「缶コーヒー等のインクも落とせる」と自信満々。すでに開発した商品は100を超え、いずれも作り方や原材料の配合比率は総べて浅谷さん本人が企画し、製造は協力工場が行っている。

竹炭を使った同社の商品群。家庭の風呂を温泉に早変わりさせる「竹炭温泉」、風呂のお湯をまろやかにする竹酢液の「竹の泉」、肌の弱い方も安心して使える「炭ボディタオル」、保湿効果と汚れ落としの効果が抜群の竹炭石鹸「竹林炭子」(たけばやしすみこ)など、竹炭を活かした商品は女性の間で口コミで広がり、ヒット商品となった。


  米ぬかを主成分とする洗剤で、タバコの箱の印刷を消すことを実演。テレビショッピングを目の前で見ている気分になる。

主原料が石なのに軟らかい軽石開発

 また、新しい商品を開発した様子なので、今度は取材としてうかがった(7月末日)。持って来られたのは、一見、コンクリート様の円形の小さな板。それを水に濡らし、「これ新しく開発した軽石です」と編集子の手をとり甲をすりはじめた。すると、あ~ら不思議。日焼けした肌がそこだけ白くなったではないか(編集子は、風呂には毎日入っている。夏は朝と夜の2回)。しかも痛みはまったくない。自宅に帰ってホントウの軽石やウレタン系の軽石で同様にこすってみたが、痛みがあり、皮膚も傷つけられた。
 この軽石。ミクロン単位にある石を粉砕した後、いくつかの原料を加えて固めたもの。水に濡らすと1日程度は水分を含んだままで、しかも雑菌が繁殖しない工夫もされている。少し力を入れて押すと、石を固めたものなのに凹んでしまう。この記事では原材料を明らかにすることはできないが、取材中に原材料を聞いて「えっ、それでできるの?」と思わず聞き返したほど原理は簡単なものであった。
軟らかい軽石。力を入れて押すと、石が凹んでしまう。「ガラスの表面をこれで磨いても、ガラスを傷つけない」と浅谷さん。「21世紀のミラクルストーン」と販売開始を楽しみにしている。


「商品の製造・販売権を協力工場に譲渡」

 浅谷さんは、数年前までは大手企業で商品開発に携わっていた。しかし商品プランに結論が出るまでに時間がかかるため、「だったら独立して自分の思い通りに商品開発をしたい」と飛び出したのである。
 「商品の企画開発は私がし、最初の販路の開拓も私がする。そしてある程度軌道に乗ったら、協力工場にはメーカーとして独立してもらいたい。原料の仕入れを当社経由という契約で、商品の製造・販売権を渡す。工場にしてみれば、下請けを脱却するいい機会になるでしょう」(浅谷さん)
 同社は、原料の販売手数料で生業(なりわい)を立てていくことになるが、これも一つのビジネスモデルではないか。
 ちなみに、先ほど紹介した軟らかい軽石は、取材時には商品名も決まっていなかったが、9月上旬くらいから販売開始の予定。噂を聞き付けて、販売店として名乗りを上げている企業が既にあるという。
 

連絡先/有限会社アールビービープロジェクト
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