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第15回 世界をリードする環日本海経済交流
ものづくり県ならではの新ビジネスフェア
「富山ものづくり総合見本市
 —とやまテクノフェア2010・NEAR2010—」を8月に開催
  
富山ものづくり総合見本市(NEAR2010)の出展勧誘で中国国際貿易促進委員会・天津市分会を訪問した時の様子。右端の女性が魏建平さん。NEAR2008の際には天津市から25社、2団体の出展があった。
 「お久しぶりです。先日の、天津で開催された『第6回PECC国際貿易投資・国際生態都市建設博覧会』(09年10月25日~28日)には、富山県から3社・団体の参加をいただき感謝しています。またこの前の視察ミッションの時の個別商談会では、成果が出つつあると聞いていて、天津企業の紹介のお手伝いをした我々もホッとしています。来年は私たち天津の企業が、富山に行きます。ものづくり総合見本市の成果を期待しています」
 この言葉は、昨年の11月中旬、中国国際貿易促進委員会(以下、貿促会)・天津市分会を訪ねた時に、日本語が堪能な魏建平さん(副部長)が再会の挨拶の中で伝えてきたもの。魏さんのいう視察ミッションとは、当機構が主催した「中国環渤海地域貿易投資商談ミッション」(09年10月26日~31日)のことで、その概要と「博覧会」に出展した企業については、前回のこのコーナーで紹介したとおりだ。
 今回の天津訪問の主な目的は、2010年8月5日~7日に開催される「富山ものづくり総合見本市—とやまテクノフェア2010・NEAR2010—」への出展企業取りまとめの協力を求めることにある。環日本海経済交流センターでは、天津の他に遼寧省、山東省、広東省などの中国の各都市、韓国(ソウル市、仁川市)、ロシア(ウラジオストク市)にも歩を進め、総合見本市(NEAR2010)への出展勧誘を積極的に展開してきたところだ。

富山ならではのユニークなビジネスフェア

「前回のNEARでは、仁川から出展した金型企業の評判がよく、商談も多数行われた。NEAR2010でも…」と仁川商工会議所では意気込んでいた。
 「富山ものづくり総合見本市」の総合テーマは、「~北東アジアからの発信~環境の時代を見すえた 変革・創造・再発見」。従来、単独で行われてきた「NEAR」(北東アジア経済交流EXPO)と「とやまテクノフェア」を同時に開催することにより、県内外のものづくり企業と北東アジア企業を中心とした外国企業との双方向の経済交流を図ることを目的に企画された。これにより、機械、金属、電機・電子機器、プラスティックなどの産業集積が進んだ富山ならではの、「部品・部材の供給から完成品の販売まで」を目的としたユニークなビジネスフェアになり、国内外の企業がwin-winの関係を築くことが可能になるだろう。
 環日本海地域にあって、富山のポテンシャルはますます大きくなり、かつ注目されている。富山空港の4航空路、伏木富山港の5航路(2010年3月現在)により、富山は同地域へのゲートウェイとしての役割を担いつつある。従来にも増して、人、モノ(経済)、文化の交流が盛んになることは必至で、新しく始まる総合見本市はそれに拍車をかけることになるのではないか。また交流の促進によって、医薬品製造も含めた富山の「ものづくり力」が北東アジアに発信されることになり、多様なビジネスの機会が創出されることになるだろう。
 今回の総合見本市では、中国などからバイヤーが招聘されるばかりでなく、昨秋、医薬品産業発展のための友好協定を結んだスイス・バーゼルから投資家を招き、ビジネスマッチングが試みられる。また岐阜県、長野県、北海道の企業にも新たに出展を呼びかけ、商談の多様化と機会の増大を狙っているところだ。
ロシア沿海地方行政府でNEAR 担当のDmitry A.Sotnik氏(右サイドの奥)は、「木製品の加工業が育ちつつあるのでNEARには関心がある」と意欲的だった。
  先述のように環日本海経済交流センターでは、昨年の10月から12月にかけて出展勧誘で北東アジアの各都市を訪問。現地政府の産業育成や貿易促進を担当する機関(日本のジェトロや県・市の商工労働部に相当する機関)に新しい試み満載の「富山ものづくり総合見本市」を紹介してきた。いずれの機関もこれには興味津々の様子で、「出展企業の中には、部品を売るだけでなく部品をつくる機械が欲しいという企業も多い。NEARと、とやまテクノフェアが同時に行われれば、サプライヤーにとってもバイヤーにとってもいいのではないか」という意見が、中国貿促会・煙台市支会など多数の機関から寄せられた。
 また今回のNEARから、出展対象品目として住宅用木製品・木製建材を追加したことを伝えると、中国貿促会・常州市支会やロシア・沿海地方行政府などはさっそく関心を示し、沿海地方行政府のDmitry A. Sotnik氏(国際協力・観光部副部長)は「木製品の加工業が発展しつつあるので、パートナー探しにはとてもいい機会になる」と喜色満面の笑みを浮かべた。


新しいビジネスモデル誕生に期待

NEAR2008の様子。リーマンショックから2カ月後の開催にもかかわらず、1件当たり平均商談金額は68,000ドルと過去2番目だった。
 その注目の「富山ものづくり総合見本市」は8月5日(木)~7日(土)の3日間開催される。NEAR2010は富山市体育文化センターを会場に、約100社(団体)の部品・部材企業(工作・産業機械部品、自動車部品、電機・電子機器部品、精密機器部品、鋳造・金型等の金属加工品、プラスティック成形品、住宅関連木製品などの製造企業)が中国、韓国、モンゴル、ロシア(沿海地方)から集結。費用と時間をかけてわざわざ外国に行かなくても、富山県内で部品・部材の調達先を探し、パートナー企業を発掘することができる。
 一方の、とやまテクノフェア2010は富山産業展示館(テクノホール)で行われ、県内外の機械、金属、電機・電子製品をつくる企業が、先端的で品質の高い製品を展示。本県のものづくり企業や、産学官連携によって生まれた新しい技術・製品なども紹介される予定だ。
 NEAR2010は3月末、とやまテクノフェア2010は5月をメドに出展企業の募集が締め切られ、総合見本市のプランが徐々に具体的になっていく。詳細は順次ホームページ等でご案内していきますので、下記のサイトでご確認ください。なおNEAR 2010の出展企業パンフレット・カタログについては、現在編集・制作中です。ご希望の方には出来上がり次第(6月頃予定)お送りいたしますので、NEAR2010専用ページよりお申し込みください。
  両会場は徒歩2分と近い距離にある。ものづくり企業にとっては、製品や部品・部材の技術の動向、開発の方向性を探る上でも絶好の機会といえるだろう。また、バイヤーとサプライヤーが一堂に会する産業展示会から、新しいビジネスモデルが誕生する可能性も大きいのではないか。
 「富山ものづくり総合見本市」に乞う御期待!
 そして、ぜひとも会場へ!!

○問合せ先
[(財)富山県新世紀産業機構 環日本海経済交流センター]
 所在地 富山市高田527 情報ビル2F
 TEL 076-432-1321  FAX 076-432-1326
 当センターURL http://www.near21.jp/
作成日2009.03.31

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