支援のコツ FMとやま 2022年1月号

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 2022年1月号

テーマ「安全・品質・安定生産を実現する設備保全」

2021年12月11日放送分

 

 

「ものづくり企業における設備保全の重要性について
 ものづくりに携わっている製造業の皆さま向けに、本日から4回シリーズで「安全・品質・安定生産を実現する設備保全」をお伝えします。
まず1回目の本日は、「ものづくり企業における設備保全の重要性について」です。
経営を取り巻く環境は、内外の環境の変化に大きく左右されています。とくに「ものづくり」を担う製造業では、多品種で高品質な製品を低コストかつ短納期で製造することが求められるなど、さまざまな経営的要求に応えるべく奮闘しています。
製造業では、数多くの生産設備が使われていますが、設備を使用してモノを製造するとき、職場環境の安全性や、製品品質、生産性などは、設備の状態によって大きく左右されます。
ところで、この設備は、なんの手当てもなく稼働し続けるものではありません。設備の経年劣化(つまり老朽化)によってトラブルが出てくる可能性もありますし、消耗品に相当する部品もありますので、何の手当もしなければ、いずれトラブルが発生してしまいます。
自家用車をお持ちの方は、定期で受ける車検や、エンジンオイルの交換、タイヤの交換など、必要な点検・整備をされていることと思いますが、もしこれが何の手当てもなく、クルマを使い続けたらどうなるでしょうか? いずれ故障が起きることは、容易に想像していただけることと思います。
生産設備においても同じことが言えます。突発故障やチョコ停、品質不良の慢性的な発生によって、生産減や修繕費の増大、災害・事故の頻発など、さまざまな問題が発生し、経営に大きな影響を及ぼしているのが、多くの製造業の悩みではないでしょうか。
製造業にとって、設備をいかに故障なく安定的に稼働させるかは、非常に重要なテーマとなります。このテーマに対応するためには、設備を含めた生産プロセスにおいて、“未然防止”の機能が十分に発揮される必要があります。
故障は、いわば氷山の一角であり、水面下に潜んでいる潜在的な欠陥を放置していると、 その欠陥が成長して故障が発生するのです。この欠陥を見える化し復元することにより、故障を未然防止することが必要です。また故障や不良が起きても、その影響が大きくならないように迅速に対応することや、さらにトラブルを発生させた真の原因を追究し、再発防止ができる力を備えることも併せて求められます。次回からは、故障の未然防止を実現するための、自主保全活動のすすめ、計画保全体制の確立、DX(デジタル・トランスフォーメーション)による予知保全、についてそれぞれご紹介していきます。
 よろず支援拠点では、今回ご紹介した設備保全をはじめ、ものづくりに取り組まれている製造業の皆さまからの相談も数多く承っています。皆さまからのご相談、お待ちしています。

2021年12月18日放送分

 

 

「自主保全活動のすすめ」
 ものづくりに携わっている製造業の皆さま向けに、4回シリーズで「安全・品質・安定生産を実現する設備保全」をお伝えしています。
2回目の今回は、「自主保全活動のすすめ」です。
自主保全活動とは、工場で生産設備に携わるオペレーター1人ひとりが、自分の使っている設備の管理を行い、設備を正しい姿で維持し、正しい運転を行う活動です。設備の管理といえば、従来は保全担当や外部の保全会社の仕事とされ、オペレーターにとっては「私つくる人、あなた直す人」という考え方が当たり前でした。しかし、これでは設備の潜在欠陥(つまり故障にはいたっていないが、いつかは故障を引き起こすような欠陥)を異常として察知することができず、欠陥の修復も行えないため、故障を未然に防ぐことができません。
オペレーター1人ひとりが、自分の設備は自分で守ることを目的として、自分の設備の清掃・日常点検・給油・増締め・消耗部品の交換などを行っていきます。
設備の調子の善し悪しは、毎日設備に接しているオペレーターがいちばんよくわかるはずです。日頃から、設備の清掃や給油・増締めなどをしていれば、五感を使って異常を感知することができ、早期に整備(つまり欠陥の修復)を行うことで、重大な故障を未然に防ぐことができます。
これらのためには、次の4つの能力を身につけるようにします。
1つ目は「設備の異常を発見できる能力」です。毎日の業務の中で、「設備が故障して停止した」「不良品が出た」というように、結果として現れた異常については、誰でも簡単に発見できます。しかし、オペレーターにもっとも要求されるのは、「これはおかしいぞ」という異常の前兆を感じ取る能力です。五感(その中でも特に視覚,聴覚,臭覚)をフルに発揮しながら、「故障しそうだ」「不良が出そうだ」という異常を見落とすことなく、早期に発見することが大切です。
2つ目は「異常を処置・回復する能力」です。異常を発見したら、迅速・的確に処置して、元の状態に修復しなければなりません。そのためには、設備に関する技術や知識を身に付けること、異常を正確に上司や保全担当者あるいは、外部の保全会社に報告できる判断力が求められます。
3つ目は「条件を設定する能力」です。異常を発見しても、判断基準にバラツキがあれば、処置が遅れかねません。そこで、正常と異常の判断基準を定量的に決められる能力が必要となります。
4つ目は「設備を維持管理する能力」です。設備を安定した状態に保つために、設定した条件やルールを確実に守り、設備の維持管理をしっかりできることが求められます。
いかがでしたでしょうか? オペレータの方々にとっては、設備の操作で手いっぱいで、とても自主保全にまで手が回らないよ、という声が聞こえてきそうです。でも、ちょっと設備について興味を持ってみませんか?今回述べた全てのことがすぐにできなくても、できることから取り組んでいくことで、設備に対する愛着が生まれ、結果として良い「ものづくり」ができると思います。次回は、保全担当部署向けに「計画保全体制の確立」についてご紹介します。
よろず支援拠点では、今回ご紹介した設備保全をはじめ、ものづくりに取り組まれている製造業の皆さまからの相談も数多く承っています。皆さまからのご相談、お待ちしています。

2021年12月25日放送分

 

「計画保全体制の確立」
 ものづくりに携わっている製造業の皆さま向けに、4回シリーズで「安全・品質・安定生産を実現する設備保全」をお伝えしています。
3回目の今回は、「計画保全体制の確立」です。
計画保全とは、設備が満足した機能を常に発揮できるように、設備の信頼性・保全性を高める体制づくり・仕組みづくりを計画的に行うものです。
計画保全の実施計画を策定するため、まず工場にある生産設備を漏れなくリストアップした設備管理台帳を作成します。この設備管理台帳をベースにして、すべての設備に対してどのタイミングでどのような保全、つまり点検や整備を行うか?を計画します。
ここで、計画保全の方法について代表的な、時間基準保全と状態基準保全についてご紹介します。
時間基準保全とは、設備の交換すべき部品を過去の経験や知見、設備の説明書からリストアップし、リストアップした部品に対して、定期的に交換計画を組み設備保全を行うことを言います。時間基準ですので、時間が経過すれば故障していなくても部品を交換します。そのため、費用がかかることが多くなります。また、設備の部品交換計画を組んだら、交換するタイミングまでに交換部品を用意しなければなりません。
これに対し、状態基準保全とは、設備の状態を点検し、その状態に合わせて設備の調整や部品交換をすることです。設備点検のチェックリストや計画を作成し、その内容に合わせて設備保全が行われます。点検の回数が多いと手間がかかりますが、無駄な部品交換をする必要がなくなるため、部品交換の費用を抑えることができます。
時間基準保全と状態基準保全のどちらを選ぶかは、設備の特性や生産における重要度などによって定めます。
保全の計画を立案したら、その進捗管理を行います。進捗管理を行いながら、設備の稼働状況を見て、本当にこの点検や整備で良かったどうか?を毎回確認します。回数を減らすことができないか?逆に増やす必要があるのではないか?新しい点検が必要ではないか?などを確認しながら、計画を改善・是正します。
なお、これまで述べた時間基準保全や状態基準保全で点検や整備を行っていても、突発的な故障はどうしても発生するものです。万一故障が発生した場合は、その原因を突き止めて早期に復元することが重要です。これを事後保全活動といいます。故障の現象・原因・処置内容などはしっかりと記録し、同じ故障が起こらないよう、計画保全の内容の改善を図っていきます。
計画保全は、主に保全担当部署が行う活動であり、前回ご紹介した現場オペレーターによる自主保全活動とは、お互い補完する形で活動を進めることが重要となります。会社によっては、保全担当部署がなく、総務部署や製造部署などの方が兼務されている場合もあると思いますが、それらの方々が担う活動とお考えください。
計画保全は、決して難しいものではありませんし、一気に全ての設備を対象にすることもありません。まずは、生産にとって重要な設備から順に取り組んでみてはいかがでしょうか?次回は、近年注目されているDX(デジタル・トランスフォーメーション)技術を用いた最新の予知保全についてご紹介します。 よろず支援拠点では、今回ご紹介した設備保全をはじめ、ものづくりに取り組まれている製造業の皆さまからの相談も数多く承っています。皆さまからのご相談、お待ちしています。

2022年1月1日放送分
「DX(デジタル・トランスフォーメーション)による予知保全
 ものづくりに携わっている製造業の皆さま向けに、4回シリーズで「安全・品質・安定生産を実現する設備保全」をお伝えしています。
最終回の今回は、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)による予知保全」です。
ものづくり企業にとって、生産設備をいかに故障なく安定的に稼働させるかは、非常に重要なテーマです。
設備トラブルが少なくなれば、稼働率が向上して生産能力が上がるだけでなく、修理にかかるコストの削減も図れます。設備の耐用年数が延長できて、設備更新を先送りできるかもしれません。また、品質面では不良品の発生を防ぎ、安全面では災害・事故の発生を防ぐことにもつながり、企業にとっては大きなメリットとなります。
これらを実現するには、故障の未然防止を行うことが重要です。故障や不具合が発生してから対応するのではなく、前もって点検や監視、部品の交換、整備を行います。
前回の計画保全でご紹介した、時間基準保全は、一定の期間が経過したタイミングで、部品の交換や整備を行うものです。しかし、この方法では、まだ使える部品を交換したり、不要な整備をしたりする無駄が生じます。また、最近の主流になっている状態基準保全は、何らかの条件を満たしたときに、部品の交換や整備を行う方法で、まだ使える部品を交換したり、不要な整備を行う無駄は生じませんが、人力で行うには経験やスキルが必要となり、担当者の負担が大きくなるのが欠点でした。
これを解決するため、近年注目されているDX(デジタル・トランスフォーメーション)技術のひとつであるIoT技術の設備保全への活用が進んできています。工場内にある設備をIoTセンサーを介してインターネットにつなげ、設備の稼働時間、微振動、温度などあらゆるデータをクラウド上に収集します。このIoTにより集められたビッグデータを機械学習で解析することにより過去の傾向からトラブルが発生するタイミングがわかるようになります。つまり、人間では気がつかない予兆をAI技術を用いて素早く発見し、故障が発生する前に状況に応じて部品の交換や整備などの対処をすることで、より故障・停止時間が削減され、工場の稼働率を更に向上することができます。これが予知保全です。
従来からの時間基準保全や状態基準保全と今回ご紹介した予知保全を、設備の特性や重要度に合わせて上手く組み合わせることで、工場全体のダウンタイムの回避による生産性向上、無駄な部品交換費用の削減などのメリットを得ることができます。
以上述べたように、DX(デジタル・トランスフォーメーション)技術の進歩は、設備保全の面でも大いなる今後の可能性を示しています。これまで4回シリーズで「安全・品質・安定生産を実現する設備保全」についてご紹介してきました。ものづくり企業にとって、設備をいかに故障なく安定的に稼働させるかは、非常に重要なテーマであり、それを実現する設備保全は、今後ますます重要になってくるでしょう。
よろず支援拠点では、今回ご紹介した設備保全をはじめ、ものづくりに取り組まれている製造業の皆さまからの相談も数多く承っています。皆さまからのご相談、お待ちしています。
参考文献・資料
・日本プラントメンテナンス協会 「自主保全士基本ガイド」,2016年.  https://www.jishuhozenshi.jp/pdf/about/jisyuhozen_kihon_guide.pdf
・吉川達志,「一番最初に読む設備保全の本」, 日刊工業新聞社, 2017年.

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