新製品開発の第2弾は「金属多孔体フィルター」である。主に、厨房用換気扇のグリスフィルターとして使われ、油煙や油脂分を吸い込みクリーンな環境を保つ役目を果たしている。
この製品は、日本重化学工業がすでに開発し商品化していたものであるが、同社が会社更生法の適用を受け、生産中止となったため、当社が「製造部門」を引き継いだものである。当初の計画では、販売は別に設立する新会社が受け持つ予定であったが、紆余曲折を経て今は当社が製造・販売を行っている。
このフィルターは、(社)日本厨房工業会の認定商品であり、全国19の代理店網を通じて販売されている。平成17年の売上高は6,000万円。18年の目標は3億円であるが、当社にとって、まだ物足りない数字だ。このところ相次いでいる大手化学会社やカメラメーカー、そして各地の試験研究機関からの引き合いや問い合わせを受注に結びつけていくために策を練っている。
今後の課題は「新用途の開拓」である。16年12月には支援センターの商品化・事業化支援交流会に参加し、目利き専門家から用途開発のアドバイスをもらった。今は厨房用換気扇が主体であるが、水処理(殺菌・抗菌)分野やボイラー、ディーゼルエンジンの吸気側フィルターとして応用されることが期待されている。
もう一点の課題は、販路の確保である。海外進出や全国展開を図るために代理店方式を進めるとともに、レンタル事業も検討しているところである。
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